「離れても」(060904)

一緒に帰った道に
もう君はいない
別れ際に交わした触れるだけの口づけも
記憶の彼方
安らぐ微笑みも
優しい香りも
過去という檻に囚われた僕には
届かないほど遠くなってしまった
ただ、一年に一度
今尚届く手紙は
君の記憶の片隅に
まだ僕が寄り添っているのだと
思っていてもいいのだろうか
気持ちは繋がったまま離れていないと
少しだけ、自惚れても
許されるだろうか